強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
神風くんは優しいかもしれない



「わたしたちのクラスはどうする?」



今は授業ではなく、クラスでの話し合いの時間。


そして、学級委員長のわたしは珍しく自分の席についている。


理由はちゃんと学校祭の実行委員がいるからだ。


夏休みが明けて、三大行事のひとつとも言われる学校祭が来月に迫っている。


そして今、まさにそれについての話し合いが行われていた。



前に出て仕切らなくてもいいことにホッとするわたし。


仕切るのが苦手な学級委員長って意味がわからないよね。


なりたくてなったわけじゃないけど……


学校祭にはあまりいい思い出はない。


いつもひとりぼっちだったから、楽しそうにするみんなを見て羨ましく思っていた。



「よし、じゃあこれで決まりねーっ」



そんな声と盛り上がっているのに気がついて顔を上げると、黒板の"クレープ屋"に赤いチョークで花丸が書かれていた。


どうやらわたしたちのクラスの出し物はクレープ屋に決まったらしい。



「次割り振り決めるぞー」



学校祭委員に選ばれた男女の2人はこういうお祭りごとが大好きで、仕切っている今も楽しそう。


クラスがひとつにまとまっている気がする。




< 27 / 178 >

この作品をシェア

pagetop