強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
神風くんは優しいかもしれない
「わたしたちのクラスはどうする?」
今は授業ではなく、クラスでの話し合いの時間。
そして、学級委員長のわたしは珍しく自分の席についている。
理由はちゃんと学校祭の実行委員がいるからだ。
夏休みが明けて、三大行事のひとつとも言われる学校祭が来月に迫っている。
そして今、まさにそれについての話し合いが行われていた。
前に出て仕切らなくてもいいことにホッとするわたし。
仕切るのが苦手な学級委員長って意味がわからないよね。
なりたくてなったわけじゃないけど……
学校祭にはあまりいい思い出はない。
いつもひとりぼっちだったから、楽しそうにするみんなを見て羨ましく思っていた。
「よし、じゃあこれで決まりねーっ」
そんな声と盛り上がっているのに気がついて顔を上げると、黒板の"クレープ屋"に赤いチョークで花丸が書かれていた。
どうやらわたしたちのクラスの出し物はクレープ屋に決まったらしい。
「次割り振り決めるぞー」
学校祭委員に選ばれた男女の2人はこういうお祭りごとが大好きで、仕切っている今も楽しそう。
クラスがひとつにまとまっている気がする。