強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。



「俺が一緒に回ってあげようか?」


「……はい?」



何を言っているんだ、この人は。


可哀想な子を慰めるような目と笑顔で迫ってくる。


はっきり言って迷惑だ。


やめて欲しい。


だって、わたしのようなやつが神風くんと学校祭をまわってみたとするよ。


神風くんが好きな女の子たちが黙っているわけがない。


確実にいじめられるに決まってる。



「お断りします」


「なーんだ、つまんないの。俺の倍率は高いよ?」



教室では担任の先生が大きな声で話しているから聞こえないと思っているのか、小声で話す素の神風くん。


自分はモテている、かっこいいなんて自覚しているナルシスト。


確かにそれは事実だから否定はしないけど……


やっぱりわたしはそんな神風くんが苦手だ。




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