強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「ねぇ、よろしくね?」
「……へっ?わ、わたし?」
いつわたしの隣に来たんだろう。
突然、神風くんが話しかけてきたからびっくりした。
というより、わたしに話しかけてくるなんて思ってもいなかった。
「うん、隣の席だから」
「う、うん、よろしく……」
わたしが戸惑いながらもそう返すと、神風くんはさっきみたいに笑った。
「ちょうどいいな七瀬!学級委員長として神風のこと頼むぞー!」
そんなこと勝手に言われても……
わたしには「はい、わかりました」としか答えられない。
そう、わたし、七瀬 澪はこのクラスの学級委員長。
本当はなる予定なんて全くなかったのに、ジャンケンで負けて渋々引き受けた。
主に任されるのは雑用と毎授業の号令だけ。
面倒くさいと言えばそうだけど、放課後に頼まれる雑用も遊びに行く友達がいないわたしにとってはなんてことはない。
遊んだり話したりしてくれる友達はクラスに居ないものの、いじめられることもなくずっと平和……なはずだった。