強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
他にもいろいろと買い足して、残すところはあと食材のみ。
基本的な生地を作るための薄力粉、卵、砂糖、牛乳。
それに具材になる生クリームやバナナ、苺、チョコレートソースにベリーソース。
今回頼まれているものはクレープといえば定番のものたちだけど、他にも変わり種のクレープも考えているらしい。
できたらクラスのみんなで試食をしてみるなんて話も聞こえていたから、ほんの少し楽しみにしている。
買い物を終えてみれば、大きな袋が2つ。
先に買っていた物もあるから合わせると、わたしたち2人の両手が埋まってしまうくらいの量になってしまった。
「ねぇ、本当にこの量1人で買おうとしてたわけ?」
ショッピングモールからの帰り道、すっかり王子様モードは完全に切れて、ダルそうに手元の重い袋を見てボヤく神風くん。
……嫌なら来なきゃよかったのに。
そんな文句は口から出ずにそのまま消える。
「今日と明日に分けて行こうとしてたの」
「ふーん。 それ面倒くさくない?」
もちろん面倒くさいに決まってるじゃん。
でも、引き受けてしまったわたしが悪いし、買って来れなかったなんて言ったら、なんて言われるかわからない。