強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「はぁー、やっと着いた」
腕が真っ赤になる頃、やっとの思いで学校まで戻ってきた。
部活動もある休日だから、校内にもなんなく入れる。
無事に教室までたどり着いて、荷物を下ろしてからホッと息をつく。
「お疲れ様」
「うん、お疲れ」
「デートみたいで楽しかったね」
「……はい?」
重い荷物を持って疲れて、頭でもおかしくなっちゃったの?
神風くんはいきなり変なことを言い始めるから困る。
「澪が男子と2人きりでお出かけなんて初めてなんじゃない?」
確かに神風くんの言う通りだ。
男の子と2人で出かけたことなんて一度もない。
強いて言えば、お父さんと一緒に出かけたことがあるくらい。
本当に余計なお世話だ。
「今日のこと誰かに見られてたら噂になっちゃうかもねー」
「えっ……」
すっかりその可能性を忘れていた。
こんな地味で冴えない空気のようなわたしが、クラスの人気物の神風くんと一緒に買い物に行っていたなんてバレたら……
背筋が凍ってゾッとする。