強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
舞さんに手で目隠しをするように言われて、両手で顔を隠して立ち上がる。
体を支えられながら誘導されて、少し歩いてすぐに止まった。
「澪ちゃん、目隠し取っていいよ?」
言われた通り、ゆっくりと手を顔から離す。
ドキドキして、ちょっと怖くて、目が開けられない。
気持ちを落ち着かせるために俯いてゆっくり目を開けた。
ここは洗面所。
目の前には大きな鏡。
……よし。
意を決して、バッと顔を上げる。
「……誰?」
そこに映るのは知らないわたし。
真っ黒だった髪の毛はほんのり茶色に染まっていて、ふわふわのゆるい巻き髪になっている。
目が隠れるほど長かった前髪は、眉のラインに揃えられてシースルーバングに。
「可愛いでしょ?」
これがわたし?
信じられないくらいさっきまでのわたしの面影がない。
「あっ、そうだ。 澪ちゃん、ちょっと来て?」