強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「おまたせ、澪」
「あっ、玲奈ちゃん」
後からやって来たのは、高校で唯一の友達の渡辺 玲奈ちゃん。
玲奈ちゃんは中学校から一緒。
元々そんなに仲が良かったわけじゃないけれど、玲奈ちゃんは見た目や性格で人を見たりせずに誰とでも仲良くする子だった。
流行に敏感でオシャレな玲奈ちゃんはミルクティー色の髪をいつもまとめていて、モデルのような体型でとても可愛い。
それゆえに、友達も多かった。
わたしと玲奈ちゃんは中学2年生時に同じクラスになって、席替えで近くの席になったことから話すことが増えた。
その頃から人見知りで引っ込み思案なわたしは、何を考えているかわからなくて暗い子だと有名で、友達なんていなかった。
陰で……と言っても聞こえているけれど、悪口を言われていることも多かった。
そんな中、他の人と同じように普通に話してくれたのが玲奈ちゃん。
ある日、聞いてしまったんだ、玲奈ちゃんがわたしの悪口を言っている主犯格のような女の子たちと話しているところ。
きっと玲奈ちゃんもわたしのことなんて……
そう思っていたわたしの勝手な妄想は裏切られた。