強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。


「逃げるんだよ」


「なんで?」


「面倒くさいから」



仮にもお姉さんに面倒くさいなんて、酷すぎじゃない?


でも、わたしには神風くんを止める義理はない。


神風くんから解放されて、逆に万々歳。



「はーい、残念。 姉から逃れようなんて100年早いんだから」


「……ちっ」



階段を上がって逃げ去ろうとしていた神風くん。


そこに立ちはだかっているのは、たった今着いたばかりの舞さん。


神風くんはすごく嫌そうな顔をしている。



「澪ちゃんやっぱり可愛すぎるわ! 妹になって欲しいくらい!」


「そ、そんなっ……」



舞さんは逃げないようしっかりと神風くんの腕を掴みながら、わたしに微笑みかける。


笑顔のまま捕まえている舞さんはちょっと怖いけれど。



「ちょうど2人一緒に居てくれて助かったわ! ねぇ、澪ちゃん、ちょっとこれに唯斗と出てくれないかな?」



舞さんがそう言ってカバンの中から取り出したプリントにはこう書かれていた。



「……ベストカップルコンテスト?」


「そう! 美男美女カップルを決めるこの学祭のメインイベント!」






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