強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
いや、いやいや。
美男美女カップルを決める?
いろいろとツッコミたいところがたくさんある。
このコンテストにわたしと神風くんが出るの?
神風くんが美男だということは認める。
わたしは?
美女なんかじゃない。
それに、神風くんとはカップルでもない。
「あ、あのっ!」
「お願いっ! この優勝者の景品のペアチケットが欲しいの!」
確かにプリントには優勝者にはテーマパークペアチケット贈呈と書かれている。
「……でもっ」
「そこをなんとか!」
舞さんの必死なお願いに押されに押され……
「優勝できなかったらすみません」
「大丈夫!わたしの手にかかれば優勝なんて簡単だから!」
胸に手を置いて自信満々の舞さん。
あぁ、どうしよう。
とんでもないことをしてしまった気がする。
ずっと聞いていただけの神風くんは、今日一番のため息をついて、お前はバカかという目でわたしを見ていた。
こればかりは認めざるを得ない。
お願いを断ることが苦手なわたし。
だからと言ってこんな……
「そうと決まれば! ほら、時間がないから2人とも来て!」
舞さんの右手には神風くん、左手にわたし。
抵抗することもできず、舞さんに手を引かれて空き教室に連れ込まれた。