強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
***
学校祭が終われば、通常授業に戻る。
クラスのほとんど子が時間が戻らないかなと肩を落としていた。
変わったことと言えば……
「七瀬さんっ!」
「……なん、ですか」
学校中の女の子から声をかけられるようになったこと。
そして、決まって名前を呼ばれた後に続くことは……
「神風くんと付き合ってるって本当?」
やたらとそう聞かれるんだ。
「ま、まさか! 神風くんがわたしを相手するわけないよ」
わたしがそう答えれば、女の子たちは「そうだよね」と安堵した表情を浮かべて帰っていく。
こんなやり取りを学校祭明けから何度したことか。
もちろん同じような質問を神風くんもされているみたいだけど……
「たまたまその場のノリだよ、姉ちゃんに頼まれてさぁ。 どう?タキシード似合ってた?」
これはたまたま聞こえてきた会話だけど、本当に調子がいいんだから。
舞さんに頼まれてっていうのはあっているけれど、あんなに嫌がって不機嫌そうにしてたんだから。
「めっちゃかっこよかったよーっ!」なんて神風くんの周りでキャーキャーしてる女の子たちは知らないからそんなことを言えるんだろうな。