海先生のお悩み相談室
「あの……」

「ん? どうしたの?」



来室表を書き終え、真っ直ぐな眼差しで口を開いた水沢くん。

この真剣な表情は……何か相談かな?



「僕、よくお腹壊すことが多くて。
何か対処法ありますか……?」



どうやら、お腹が弱いのを気にしている様子。

対処法か……。
体質もあるからなぁ。これを食べれば必ずいいって言うのもねぇ……。


潤んだ瞳で尋ねてきた彼に少し考えて返答する。



「やっぱり冷やさないことかな。
なるべく運動したり、外に出て太陽の光を浴びたりして、体を温めるのがいいよ」

「……運動かぁ」



水沢くんは少し難しい顔でポツリと呟いた。

その顔は、運動はあまり得意じゃなさそうだな。



「水沢君は休日何してるの?」

「……部屋で本読んでます」



なるほどね。
その反応だとインドア派かな。



「それなら窓際で日光浴してみたら?
太陽の光浴びると、体内時計が整うみたいだし」

「へぇ……」

「あとは、暑くてもなるべく冷たい物は口にしない、辛い物は食べない、とか」

「ありがとうございます」



笑顔を見せた水沢くんにホッと胸を撫で下ろす。

少しでも役に立ったんなら良かった。
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