海先生のお悩み相談室
「その友達はどんな人なの?」

「明るくて優しくて、周りの人達から愛されてて……私にとってヒーローのような男の子です……!」



ヒーロー……!
ってことは、その友達に助けられたことがあるのかな。



「私、背が高いから女の子らしい可愛い服が似合わなくて……。やっぱり男性は、可愛い服が似合う人が好きなんですかね……?」



そう言い、少し泣きそうな顔で眉尻を下げた。

確かに、ふんわりした柔らかい服は女性らしくて可愛いけど……。



「俺の彼女は、どちらかっていうとボーイッシュな服が好きなんだよね。だから、好みは人それぞれだと思う」

「そうなんですか……?」

「うん。好みじゃない服を着るよりも、好きな服を着てるほうが自然と笑顔になるし、より魅力的に見えると思うよ」

「ありがとうございます! ホッとしました!」



助言すると、彼女は満面の笑みを浮かべてお礼を口にした。

なんだ。いい笑顔するじゃん。



「失礼しました!」

「は~い」



ルンルンとスキップしながら出て行った綿原さん。

来た時と全然違ったな。
あの笑顔を見せることができたら、きっと上手くいくと思う。
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