海先生のお悩み相談室
隼の場合
10月。
ある日の掃除時間。
「先生ー、こんにちはー」
「おお、黒瀬くん。こんにちは」
保健室前の廊下を掃除している、2年生の黒瀬くんに遭遇した。
彼は青石さんや上川くんと仲がいい生徒で、凛々しい外見とは裏腹に、自由でのんびり屋さんな性格である。
「あの、明日の昼休みって時間ありますか? 相談したいことがあって」
「いいよ。お昼食べたらおいで」
◇
「失礼します」
「いらっしゃい」
翌日の昼休み。
黒瀬くんを招き入れて、椅子に座らせた。
緊張しているのか、背筋を正して何度も深呼吸をしている。
この雰囲気だと、真面目な相談かな?
「あの……忘れられない人を忘れるには、どうしたらいいですか……?」
落ち着いたトーンで尋ねてきた彼は、どことなく寂しい目をしていた。
「……っと、その人にあまり良くない思い出があるの?」
「いえ……むしろ幸せな思い出ばかりです」
「幸せなら無理して忘れなくても良いと思うけど……何か困ってるの?」
ある日の掃除時間。
「先生ー、こんにちはー」
「おお、黒瀬くん。こんにちは」
保健室前の廊下を掃除している、2年生の黒瀬くんに遭遇した。
彼は青石さんや上川くんと仲がいい生徒で、凛々しい外見とは裏腹に、自由でのんびり屋さんな性格である。
「あの、明日の昼休みって時間ありますか? 相談したいことがあって」
「いいよ。お昼食べたらおいで」
◇
「失礼します」
「いらっしゃい」
翌日の昼休み。
黒瀬くんを招き入れて、椅子に座らせた。
緊張しているのか、背筋を正して何度も深呼吸をしている。
この雰囲気だと、真面目な相談かな?
「あの……忘れられない人を忘れるには、どうしたらいいですか……?」
落ち着いたトーンで尋ねてきた彼は、どことなく寂しい目をしていた。
「……っと、その人にあまり良くない思い出があるの?」
「いえ……むしろ幸せな思い出ばかりです」
「幸せなら無理して忘れなくても良いと思うけど……何か困ってるの?」