遠い記憶

人間は必ず死ぬ。
人によって長さは違うだろう。

でも、自分が生きてる事で誰かの幸せに繋がっているとするならばそれはもう、人生に成功したんだと思う。

会社の地位や名誉ではなく、金持ちだとか、高級車に乗ってるとか、土地を持ってるとかそんな事は関係なく

本当の幸せは心の奥底にあると思う。

自分が死ぬ時、色々あったけど頑張ったぞ！
本当にいい人生だった。　ありがとう！
と、言えるかどうかなのかもしれない。


＊＊＊

そんな事を考えていたら、　寝ていたようだ。

目を覚ましたら美紀がかけてた毛布が俺に掛けてあった。

「お父さん、もうすぐ到着だって！
記念のハワイ旅行　楽しかった〜。
優一とリサちゃんに、感謝だね〜！
早く、礼央と叶夢と桜に会いたいな！
お土産喜んでくれるかなぁ〜」



…… 到着ロビーには、優一家族が待っていた。
孫たちは、俺たちを見つけて駆けてきた。

「お爺ちゃん！　お婆ちゃん！　おかえり！」

「「ただいま〜！」」


岡田家、全員が、ニコニコの笑顔だった。
俺の人生は、成功したと思っている自分がいる…



　　　　　　　　　　　　完