遠い記憶

初七日の法要が終わって良介は、フランスへ戻った。
親父は、四十九日が済むまで、店を休んだ。
店は、パートの主婦を2人雇って再開した。


あっという間に　一周忌。

良介も、日本へ再び帰国して来てくれた。


「あのさ〜親父、兄貴。
俺…日本に戻ろうかなと思ってるんだけど…」

「え！　戻る？」

「良介、　ありがとうな〜
でも、俺は、良介の気持ちだけもらうな！

母さんは、いっつもさ〜
良介がフランス料理のシェフになったら、俺と2人で良介の作ったフランス料理食べに、フランスのパリに行こうねって言っててさ〜
ブランドバッグも買えって言われてたんだわ。

だから良介は、母さんの為にもフランスで一人前のコックになってくれ！　な、良介！」

「母さんが…そうだな… じゃあ！一人前のコックになって、親父と兄貴を招待するか！飛行機代貯めておけよ！」

「本当にありがとうな、心配かけてゴメンな良介」


「おお！　フランスのパリへ俺と親父で母さんの遺影を持って、食べに行くからな！
厳しい修行も頑張れよ良介、応援してるからな！」

「おお！　死に物狂いで頑張るわ！」