遠い記憶

入院

病院に着き、
美紀はストレッチャーに乗せられ検査するようだ。

救命医に「あなたは?」

「婚約者です。美紀は妊娠してます。助けて下さい。お願いします!」

「妊娠してるんですね。どういう状況だったの?」

「俺は見てませんが、階段から突き落とされたみたいです。 
俺が、行ったときは階段の踊場に倒れてました。」

「頭を打ったかなぁ… はい。先ずCT撮りますね」

「はい。お願いします。」
待合室で待つように看護師さんに言われ、俺はただ待つしか無かった。


神様…俺から、母さん、父さん。
そして美紀とお腹の赤ん坊まで、天国に連れてかないで下さい。 
お願いします!
祈る事しか 圭介には、残されていなかった。
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