遠い記憶
それから毎日、会社帰りに面会に来る圭介。

真弓は、圭介の夕飯を作って待っててくれた。

なかなか 美紀の意識は戻らない。

医師からは、どこにも異常はないので本人次第だと告げられていた。

週末も朝から面談時間が終わるまで付き添う圭介は、段々と憔悴していた。

会社では仕事に集中し、まるでロボットのように表情をなくした圭介。

周りの社員たちも、何と声をかけて良いのかわからず、ただ、圭介の様子を見守っていた。

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