遠い記憶
「君のお父さんが亡くなった時、
君たちは7千万円くらいずつの資産だったんだが、
圭介君は 8億になったぞ!
良介君の方は、元金が3千万円だったから3億5千万円 くらいになってると思う。
解約手数料とか多少はひかれても、
そのくらいはあるぞ!どうする?」

「え〜!そんなに〜。驚きました!
良介の分もたくさん増やして下さって、本当に、ありがとうございます!
あの、申し訳ないのですが最後までお義父さんにお任せしてもよろしいでしょうか?
すみませんが、よろしくお願いします!
あ、俺、自社株を毎月天引きで持ってます。」

「それも 売って金にした方が良いなぁ〜
無理にとは言わないが、う〜ん株価がなぁどうなるかなあ〜不安だからなぁ〜」

「じゃあ、売るように会社で手続きします。」

「これだけの金があれば、利息で食っていけるから大丈夫だ! 
もし、株が買いたければまた買えるだけの金は出来たしな!」


その手続きも全て終わった頃、バブル景気はあっという間にに崩壊した。
日本中の地価は急落し、倒産企業もたくさん出た。


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