【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「うぇ!? 律くんそれは最後の部分で、ってことは、ほぼぜんぶ聞こえてたんじゃ……」
「安眠妨害すんの何回目?」
「ごめんなさい……でも、律くんはいつも通り寝てて……」
「起きるに決まってんじゃん」
「今度からは声のボリュームを……」
「お前の声が聞こえたら、俺は起きるよ?」
不敵な笑みを浮かべた律くんの瞳に、鼓動は一際大きく揺れ動いた。
私の声で、律くんが目覚める……?
しゅんっと落ち込む私の視界が、パッと明るくなっていく。
そんな嬉しい言葉をくれるのに、律くんはやっぱり律くんで。
「ホント疲れる」
「っ、」