【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「私の顔面が……いけないんじゃないかって、ずっと謝り……」
「そんなわけないでしょ」
「だって、律くん……嫌がらせって」
はぁっと、深く息を吐いた律くん。
「俺のせいで信じらんなくさせたなら飽きるまで言ってやる」
輪郭をなぞるように、私の髪に触れた律くんは、
「可愛い」
まるでキスをするくらい近い距離で囁いた。
突然、こんな夢見たいな出来事が訪れて、私は呼吸さえ忘れた。
「可愛いよ、お前は」
「……っ、」
私の髪を撫でながら甘く囁かれたら、心臓はいくつあっても足りないわけで……。