【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「今さらだけど西宮、そこのベットで羽川本人が寝てるってことは把握してんだよね?」


チラリと背後にあるベットに視線を投げた。


ホームルームが終わったあと、私が玲来ちゃんに相談していたら「眠い」とだけ告げた律くんは、すいーっと保健室へ向かって寝てしまったみたい。


きっとここだろうと思ってやって来てみれば、律くんはとっくに夢の中だった。


寝顔に見惚れて、律くんに触れたいな……なんてなかなか危ないことを思っていた私。


そこへ「はい、現行犯逮捕ー」と、職員会議を終えた蒼ちゃん先生が戻ってきて、容疑を否認する私は供述を始めたってわけだ。


「蒼ちゃん先生それなら問題ないです! 律くんはしっかり寝てます! さっきここに来た時、呼吸、脈拍、心音を確認しましたから!」


「……病人扱いか」


それに声のボリュームだって細心の注意を払ってる。
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