【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
* * *
──翌日。
勘違いと思い込みは時には大切なことだ!ってお母さんが言っていた。
私もそう思う。
昨日蒼ちゃん先生と話したおかげもあって、今の私は、ちょっとだけ自信を持てるような気がするのだ!
「それでね玲来ちゃん! 私、たとえ小さくても、時には変化も大切なんだってことに気づいたの!」
「……で、その派手な赤いリップをつけたと?」
わさびでも食べたみたいな顔をした玲来ちゃんの目が私の唇に集中する。
私は蒼ちゃん先生と話して習得したことが二つあった。
ひとつは自分に自信を持つことの大切さ。
そしてもう一つ、それはギャップだ。
「どうかな!? このリップ、少しは大人っぽく見える!?」
「近所の小学生と吸血鬼ごっこしてきたのかと思ったわ」
「……」
「……冗談よ。わたしは普段の芽衣のままでいいと思うけど、まぁたまにはいんじゃない?」