【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
玲来ちゃんの声を遮るように飛んできたのは、どこか堅い声だった。
後ろへと振り返れば、黒髪にメガネをかけた男子生徒が立っていた。
「あの……?」
というよりも、背が高いその人は鋭い目付きで私を見下ろしている。
「聞こえなかったのか? 校則違反だと言っているんだ。クラスと名前は?」
淡々とした冷たい声。
名簿のようなものを開いたその人はこちらへと歩いてくる。
そこでようやく、私と玲来ちゃんはハッとした。
「ちょっとちょっと芽衣っ! どーすんのよ! アレ、血も涙もないって有名な生徒会長様じゃん……!」