【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
過去に、彼氏の誕生日プレゼントを渡したくて持ってきた女子がいたけれど、会長様に見つかり没収された。
どれだけ文句を言おうが謝罪しようが、帰るまで返却されることはなかったそうだ。
「なぜ黙っている? 校則違反だということも、自分の名前もわからないのか?」
間近で問われると、その威圧感は尋常ではなかった。
「わた……しは、二年A組の西宮……芽衣です……!」
「次回はないと思え。顔と名前は記憶した」
終わった……サヨナラ青春……。
「リップは無着色の物を選ぶように。ファッションとは個人で楽しむものであり、ここでは不要だ。わかったのか?」
「はい……すみませんでした!」
私は廊下におでこをくっつける勢いで頭を下げた。