【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「それと、君にはその奇抜な赤は似合わない」
個人的な感想を述べられた会長様に、
「ちょっとぉ!! いきなり本当のこと言わないでくださいよ!」
「そうだぞ会長さんよ! 俺だって玲来だってな、似合わないって言いたくても我慢してたんだからな! もっとオブラートに包むとかあんだろ!」
……ふ、ふたりとも?
……全然フォローになってないんだけど。
似合わないか……。
でも、本当は自分でも薄々わかってはいた。
大人っぽい赤いリップは似合わないかもって。
「俺は常に正直な意見しか口にしないようにしているだけだ」
「……あのっ! 会長様……!!」
マズい、声が裏返った。