【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「ん〜、ゴールドのリボンって、ちょっと派手かな?」
「きっ、金!? 芽衣、初めてで金ってかなりキツくない!?」
私の前に座っていた玲来ちゃんが、なぜか興奮気味に鼻息を荒くした。
「やっぱり金はマズいかな!?」
「……マズいマズい! そりゃもうっ、バキバキ気合い入ってます私!みたいな感じでしょ!?」
「もちろん気合いは十分だよ!」
なに言ってるの?と言えば「なんて大胆な……」と、玲来ちゃんの顔色が青くなっていく。
「ちょっ、芽衣!? 悪いこと言わないから控えめな色にしなって!」
「なんの話ー? バレンタインー?」
陽気な声で会話に混ざってきたのは尾行のプロ……ではなく矢坂くんだ。