【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


私の中の憧れナンバーワンのシチュエーションが突然やってきたのだ!

だがしかし、問題が発生した……。


「どこに誰と行くか言ってから出かけな!」


というのが子供の頃からの家の掟である。


私はじっ……と台所に立って洗い物をするお母さんの顔を見つめる。

表情的に今のお母さんの機嫌は悪くなさそうだ。


よ、よし……!!


「あのぉ、お母様……実は今度の日曜日……彼氏の……家にいってくるから」


“彼氏”……の部分だけ極端に声が小さくなってしまった。


「なんだって!? 聞こえないよ! 家は代々うじうじしたのは禁止だって教えてきたでしょうが!」


破壊力が半端ない母の顔面に私はピーン!と背筋を伸ばした。
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