【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
お許しなど出るわけがないか……と肩を落とした。
「しっかり手土産を持っていきな!」
「へ? 手土産?」
「あったりまえでしょうが!やぁねこの子ったら!人様の家にあがらせてもらうんだから当然よ!」
「……」
「だいたいね! その彼氏に捨てられたら、あんた結婚どころか次の恋も始まるかわからないんだからね!」
母の中で私の評価は一体どれだけ低いんだろうか……。
* * *
「──ってことで、色々見てるところなの!」
経緯を説明すると、二人は先程よりも疲れた顔をしていた。
「………結婚のご挨拶に行くわけじゃないのよね?」
「けっ、けっ、結婚なんて……玲来ちゃん気が早いよ……」