【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


視界から映像が消えた。

何も見えない……。


「へ?」


不思議に思った私がふと隣へ目を上げた。


「強がりすぎ」


すっ、と伸びてきた律くんの手は、私の目元を隠していた。


「で、芽衣の負け」


「うぅっ……」


勝ち誇った律くんの表情に口ごもるけど、


「も、もう一回! 私に挑戦権をください!」


すぐにリベンジを申し出た。

このまま引き下がるわけには……


「それはダメ」


「そんな……」


まさかの挑戦権剥奪……!?


「眠れなくなったらどうすんの? そんなむくれても、俺はいいよって言わないからね」


淡々とした口調の律くんに、ツンと頬っぺたを指でつつかれた。
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