【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます

「だって全然満足できないもん……っ」


「なにが？ キス？ 」


「違っ……」


「だったらもっとする？」


「……し、したいけどしない！」


「どっちなの？」


そんなの決まってるよ……。

律くんとキスしたいかしたくないかって、したいに決まってるもん。


「……したいけど、したいけど……でも今日はしな……」


「する」


フッと小さく笑みを宿した律くんは、あっという間に私を引き寄せて、優しいキスを落とした。


私の頬に触れる律くんの手は優しくて、温かくて、勝敗なんてどうだってよくなる。

なんて単純な生き物なんだろ、私……。