【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


なんの意味だと思ったかはわからないけど、私はその続きを話し始めた。


「西宮は何を気にしてんだよ?」


いてて、と足を気にしながら質問してきた矢坂くんに私は重い口を開いた。


「私、占いが最悪だったの……」


「は?」


二人の声がピタリと重なった。


それは先日、お母さんとスーパーの買い物に行った帰りのことだ。


買い物袋を持って出ようとしたら、出入口のそばに占いコーナーが並んでいた。


いかにも怪しそうだったから私は遠慮しておくって言ったけれど、3キロも正月太りしたことを見事的中された母がゴリ押しして私も占ってもらうことに……。


「ワタシにはなぁんでも見えるわよぉ」


という声は男、口調は女という性別不明の占い師がギラギラした目で私を見据えた。
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