【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
これ、と蒼ちゃん先生が差し出したのは黒いフレームのメガネだ。
「三条の忘れもんなんだよ」
「三条……?」
「ほら、我が校の会長様だよ。みんなそう呼ぶから生徒達は忘れがちだけどね」
「ゲッ……会長様の!?」
「さっきまで頭痛がして少しだけ保健室で休んでてさ。んで、生徒会の仕事があるからって忘れたまま出てっちゃって」
つまり蒼ちゃん先生はそれを私に依頼している?
先日、校則違反で叱られた私に?
「じゃ、頼むわ! よろしくね!」
あっという間に消えた蒼ちゃん先生。
出来れば会長様とは二度と関わることはしたくない……。
だ、だって怖いし……。
でも、メガネがないことに気づいた会長様は慌てて探してるのかもしれない。