【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「廊下を走るな」


「っ、」


背後から飛んできた刺すような声に、急ブレーキをかけた。


「ん? 君は……」


ゲッ!!

なんと振り返った先には会長様が立っていた。

目を凝らして私へと歩み寄る。

いつもよりも数倍は目付きが悪い……。


「……あの、」


止まることなくこちらへとやってくる会長様に、私の背中は壁にピタッとくっついた。


「……わっ!」


ぐっと顔を近づけてくる会長様にビクリと肩が跳ねる。

メガネをかけていない会長様の顔を初めて間近で見た。

きっと女子が知ったら騒ぐんじゃないかなって思うレベルの顔面偏差値はあるだろう……。


ていうか、さすがに近すぎませんか!?
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