【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「……西宮、芽衣か?」


「はいっ……」


それを確認した会長様の表情は一際険しくなる。


「先日に続いてこれで二度目だな。二度目の校則違反をした者には罰則として環境整備をしてもらう」


「うぅ……」


「明日の放課後、落ち葉清掃だ」


なんでこんな目に……。

真冬の放課後に何が悲しくて冷徹だと名高い会長様と落ち葉を……。


「もう帰っていい。下校時間はとおに過ぎている」


「……はい。あっ、でもその前にこれを!」


私はコートのポケットに忍ばせていたメガネを取り出した。


「忘れ物です……! さっき、蒼ちゃん先生に頼まれました」


会長様に差し出すと、ハッとした様子で目を丸くしていた。
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