【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「眠い」とか「バカ」とか短い単語ばっかりなくせに、ホントは私を喜ばせる言葉を知っているからタチが悪い。


いとも簡単に私の気持ちはぐんっと雲を突き抜けるほどに舞い上がる。


「さっき俺のことが片時も頭を離れないとか言ってたけど」


「う、ん……」


やば……律くんが近すぎて目が泳ぐ。


「寝てる時も芽衣が俺の頭ん中独占してるって気づいてる?」


「へ……?」


堪らずに視線を止めたことを秒で後悔した。

律くんの気だるげな瞳が私を捉えていて、唇が触れてしまいそうになる。

距離がもうゼロになりそうだった。


「とぼけないでよ」


どこか勝ち誇った顔をかくんと傾けて、私の頬に手を滑らせる。
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