【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
雰囲気を壊したって、たぶん今みたいなことなんじゃ……?
ただでさえ色気も何もない私に触れてくれていのに、さらに好感度ダウンさせた……?
やめてって律くんに言われてしまったなら、
「やめる……もう、夢の中に出ないよ! やめるから!」
って言っても祈るしかないんだけど……。
「うん。もうやめてね」
「はい……」
ベットの上で小さくなる私に、律くんの目が向けられた。
しゅーんと項垂れたその時、微かに聞こえた笑ったような声。
「キスしたくなるくらい可愛いから、やめて」
え……?
視界に影が降りてきて、固まるしかない私の後頭部に、律くんの手が回された。
「もう手遅れだけどね」
目を細くした律くんの口角が上がる。