【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


* * *


──翌日。


結局、何を作って渡したら喜んでくれるのかわからないまま。

夜、インスタなんかも見たけれど、どれもこれも難易度の高いものばかりだった。


映えとしては最高に可愛いチョコばかりがアップされてたけど、律くんはきっと興味がないだろうし……。


うーんと頭を抱えながら、ガラッと教室の扉を開けた。


「えっ……」


私は一歩入った瞬間その場で足が止まった。


私が今いるのは確かに教室なはず。

だけど視界に飛び込んできたのはメルヘンチックな物ばかり……。


ハートのバルーンにチョコレートの大きな飾りが黒板の周りに飾られている。


「あの、ここはいつからバレンタインフェアの特設コーナーに生まれ変わったの……?」
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