【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「こればかりは仕方ないわね」
「西宮。辛い現実だけど受け止めろよ……」
私は二人に肩を叩かれ、トートバッグに入っているチョコチップクッキーを抱きしめながら叫んだ。
「大寒波のバカヤロウーーー!!」
* * *
「はぁ……大丈夫なのかな、律くん……」
お昼休みを迎えたけれど、私の溜め息は増える一方だった。
スマホを取り出してメッセージを確認する。
やっぱりきてない……。
律くんは大丈夫なんだろうか。
インフルエンザとかではないみたいだけど。
「隠しごとはなしのはずじゃなかったのかよ? なんでそんな嫌がんだよ」
律くんのいない席を眺めていたら、矢坂くんの声が耳に舞い込んできた。