【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


それは私と律くんだけが知っている秘密。

前回は危うくバレそうになったけれど、なんとか誤魔化した。


「なんで知ってるんだよ!? ま、まさか……羽川か!? それとも西宮から聞いたのか!?」


「……」


玲来ちゃんの血管が浮き出ている。

今なら手も足も出そうな勢いだ……。

誰も勝てるわけがないだろう……。

そう判断した私は立ち去ろうと即座に回れ右。


──ガシッ!!


「ヒェッ!」


逃がすものかと掴まれた肩。

なんて力なんだ……!!

握力が14だなんて絶対嘘に決まってる。


「芽衣? 知ってるの? 知ってたの? 知ってたのよね? 3秒以内なら許すわよ」


「はい……! 私は知っていて黙っていました!先日も誤魔化しました! ごめんなさい!」


……迷う余地などない。
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