【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


矢坂くんが指をさしたのは玲来ちゃんの机の横に掛けられている袋だ。


「……あの、玲来ちゃん、それ何?」


黒い紙袋は光沢があって高級そう……。

じーっと私と矢坂くんで視線を送る。


「もーっ!そんな目で見ないでよ! わかったわよ! 見せればいいんでしょ!」


「……くっ、ついにこの時がきたか!」


矢坂くんはきっとバレンタインだから期待していたのかな?

彼女である玲来ちゃんからのチョコレート。


「こういうのって、恥ずかしくて……それに、あまり自信もないのよ……」


おお……。

あの玲来ちゃんが顔を赤くしている。

非常に貴重なその顔を私と矢坂くんが食入るように見ていると、


「もしダメ出しとかあったら、言ってくれる……?」


……と。
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