【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「冬夜の分もあるのよ?」
「マジで!?」
はい、と取り出したそれはホワイトチョコレートのなんと1/4サイズ。
「……俺にはバレンタインなんてなかった」
「え? どしたの? あれ、冬夜ー?」
結局、私と矢坂くんにバレンタインなどなかったのだ。
私達は放課後を迎えるまでの間、
「西宮、生きてりゃ辛いこともあるけど強く生きような……」
「うん……律くんを思うことを糧に頑張るから!」
* * *
はぁ……。
女子のみんなはこれからバレンタインのチョコレートを渡しに行くのかな。
弾んだ声で話していた女子に囲まれながら、一人寂しく帰路へとついた。