【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「……矢坂くんと励ましあったけど、やっぱり」
と、ひとり公園のベンチに座りながら心の声が漏れる。
律くんからは一度も返信がなかった。
風邪で寝込んでいるだろうし。
きっと風邪で欠席と聞いた私が、嘆き騒いでるってことも律くんなら予想していると思う。
私が心配してるってことも……。
それでも、律くんは大丈夫なのか気になってしまう。
「西宮……?」
不意に名前を呼ばれた。
声のする方向へ顔を上げる。
ぼんやりと伸びる影を辿れば、そこに立っていた人物がこちらへと足を進めた。
「……会長様!?」
や、やばい……。
今日の私は校則違反だ。