【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「好き」がいい
「好きだから、キスだけじゃ嫌って思うのは正常だと思うの」
週末が空けた月曜日。
休み時間、私はポツリと呟いてみる。
「その発言さ、一歩間違えたらただの変態になりかねないからね?」
……と、人を変態呼ばわりしようとしているのは私の親友である菊池 玲来(きくち れいら)ちゃんだ。
うん、今日も相変わらず窓に背を預けて立っているだけでも美しいな……。
入学式で玲来ちゃんを見かけた時は、冷気をまとう雪女が紛れ込んでるかと思ったけど。
肩にかかるくらいの黒髪は傷みを知らないし、肌なんてとぅるんとぅるん。
猫目な美人は、白いシャツにライン入りの短いネクタイっていうみんなと同じ制服姿なのに様になるものなのだ。