【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


言いながら、ベットに寄りかかった律くんは、


「もう帰んな?」


「う、うん!」


はぁ、と息を吐いた律くんは、天井を向いた顔に腕を乗せた。


「独占欲とか、こんな感情めんどくさいだけだろ」


その腕の隙間からチラッとこっちを見る律くんと目が合った。


「……え」


独占欲……って。

まず聞けるはずがないだろうと思っていた言葉が、律くんから出てきた。

カバンを持った手が止まっても無理はない。


「粉々だろうとなんだろうと俺のだよね?」


「……っ、」


お母さんには「ウサギじゃなくて豚じゃないのよこれ!」と言われたクッキーを……。


律くんが欲しがってくれるなんて。
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