【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
それに今律くんが独占欲って言ったの!!と玲来ちゃんに大声で伝えたくて仕方ない。
「顔真っ赤だね」
「……っ、これは……嬉しくて!」
「ふーん。じゃあもう温まったんじゃない?」
「……へっ? あっ、温まった!身体の至るところまで温まったから帰るね!」
バッ!と立ち上がり、くるんっと背中を向けてドアへと向かった。
「芽衣」
背中を追いかける声に振り返ると、
「俺も同じ」
「……お、同じって、 温まったってこと? 律くんは風邪で体温が──」
「風邪じゃなかったらキスしたいってこと」
私はカバンを落としそうになった。