【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


配役が決まったらそれはそれでやるんだろうけど、セリフが少ない役を希望しそうなところだ。


かくいう私も、風邪が治って学校に来てくれる律くんを拝めるだけで幸せなんだけど。


「納得出来ないわ! なんでわたしがヒロインなのよ!!」


そんな中、玲来ちゃんの大声が響き渡った。


「玲来しか適任じゃないだろ!?」


玲来ちゃんと対立するのは言うまでもないが矢坂くんである……。


みんなは「熟年夫婦の喧嘩が始まったか……」と机ごと避難している。


「どうしたの、玲来ちゃん……」


「芽衣、聞いてよ!! あんまりじゃない!? これ!」


「えっ、どれどれ!?」


タックルする勢いで私の席までやってきた玲来ちゃんは、バンッ!と私の机に紙を叩きつけた。
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