【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


* * *


「そんなこと言った覚えない」


「えっ!?」


その日の帰り道。

マフラーに口もとを埋めて、ツーンとした目の律くんがこっちを向いた。


「でも、会長様が」


「なんかの間違いじゃない? 俺がそんなめんどくさいことするわけない」


「確かに……」


でもあれだけ会長様は強気だったし……。

うーん、と頭の中で考える。

じっと律くんを見返すと、すっと視線を逸らされる。


なんてナチュラルな逸らし方なんだろうか……。

だけど私にはわかるよ律くん!!

今のは何かある!
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