【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「律くん……何か隠してない!?」


「別に」


その視線がこちらに戻ってくることはない。

お母さんも言っていた。

人は嘘をつくと目を逸らしたくなるって!

それに……


「う、嘘だ……! 律くんは私と目が合った時、今みたいに逸らしたりしないよ!?」


私はきっぱりと主張する。


まるで誤魔化しているみたいな律くんの様子に、私は色んな角度から律くんを見た。

すると、律くんの手が私の頭の上にポンッと乗せられる。


「へぇ? 俺のことよく見てんね?」


今は律くんが誤魔化していないか確かめているっていうのに、不覚にもドキッと心臓が動いた。
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