【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます


「……っ、もちろんだよ! 穴が空くほど見るって私みたいなことだって言ってもいいくらい!」


「さすがに見すぎだろ……」


「でもほんとなんだよ? だから、隠さずに何かあるのなら私に言ってほしいの! ねっ、律くん……!」


お願い!と……。

どんなことでも知りたいよ。

私は律くんを見上げて唇を引き結んだ。


「こっち見ないでくれる?」


「えっ……!? ひ、ひどいよぉ!」


なのに返ってきた言葉がそれって……。

ツーンとした顔は相変わらず。

冷たい風が心に染みる……。

それでも私は律くんをチラリと見上げた。
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