【完】無気力ですが、ベタ惚れ彼氏の溺愛方法に困ってます
「うん。やっぱり見ないで?」
「なっ!?」
完全なる塩対応にいよいよ私のメンタルも崩壊寸前だった。
「離せなくなる」
「……わ、私だって目を逸らしたりしないよ! 今だって逸らしてないもん」
「そういう意味じゃないよ」
「じゃあ……どういう意味なの……?」
夕陽を背負った律くんが私を見つめる。
前髪の下から覗く優しい瞳に、今度はトクンと胸が高鳴った。
「言わない」
「な、なんでぇ!? 期待したのに!」
「すぐ走り出すから」
「……!? えぇと、走らないから! お願い律くん!」
是非、遠慮せずにその続きを!と、既に走り出す構えをしている私が発したその時……